「歩くだけで賞金が当たるアプリ」と聞いて、真っ先に「それって法律的に大丈夫なの?」と思った方へ。その疑問は正しいですし、むしろお金が絡むサービスを使う前に持つべき感覚だと思います。この記事では、懸賞アプリに関わる3つの法律の考え方——賭博罪、富くじ、景品表示法——を、あるくじの設計を例にやさしく解説します。私たちは弁護士ではないので、一般的な法律の枠組みの紹介と、あるくじがどう設計されているかという事実の説明、という形で書きます(あるくじのサービス設計と規約は、弁護士によるリーガルチェックを受けています)。
大前提: 「お金を払って、お金が当たる」がアウトの基本形
くじや賭けごとに関する法律の考え方は、突き詰めるとシンプルです。参加者がお金(財物)を出して、偶然の結果でお金を得たり失ったりする——これが刑法の賭博罪(刑法185条)や、富くじに関する罪(刑法187条)が禁止している基本の形です。宝くじが例外的に販売できるのは、法律(当せん金付証票法)で特別に認められた発売元だけが扱えるからです。
逆に言うと、参加者が何も支払っていなければ、この基本形は成立しません。「賭ける」という行為が存在しないからです。
あるくじは、ここを設計の土台にしています。
- アプリは完全無料。アプリ内課金・サブスク・有料機能は存在しません
- くじへの参加に、購入・支払い・ポイント消費など、いかなる経済的負担も求めません
- 昨日の歩数の下4桁が自動的に番号になるだけで、「くじを買う」という行為そのものがありません
参加者が1円も出していない以上、「賭けたお金を失う」ことは構造的に起きません。これが、あるくじが賭博や富くじの販売とはまったく別のものである、いちばん根本的な理由です。
景品表示法と「オープン懸賞」— 無料の懸賞に上限額の規制はない
次に、賞金や賞品の「額」の話です。「懸賞の賞品には法律の上限があるのでは?」と聞いたことがある方もいるかもしれません。それは景品表示法(景表法)の話で、確かに上限規制は存在します——ただし、それがかかるのは「取引に付随する」懸賞、つまり「商品を買った人が応募できる」「サービスの利用者だけが対象」といった、購入とセットになったキャンペーンです。
一方、商品やサービスの購入をいっさい条件にしない懸賞は「オープン懸賞」と呼ばれ、景品表示法の景品規制の対象外です。誰でも無料で応募できる懸賞に、法律上の賞金上限はありません(かつては1,000万円の上限がありましたが、2006年に撤廃されています)。テレビ番組やWebの「誰でも応募できるプレゼントキャンペーン」がこの類型です。
あるくじはこのオープン懸賞として設計されています。ポイントは「購入が条件になっていない」ことに尽きるので、あるくじでは次のことを規約で明確にしています。
- 参加は無料で、何かを買う必要はありません
- アプリ内にスポンサー企業の商品紹介はありますが、閲覧や購入は抽選と無関係です。買っても当選確率は上がりません
- 友達を招待しても、SNSでシェアしても、当選確率や口数は変わりません
「何をしても抽選条件が変わらない」ことは、ユーザー体験としては少し不思議に見えるかもしれません。でもこれは、オープン懸賞という土台を守るための、意図的な設計です。
いちばんの論点: 「動画を見ると賞金が増える」は大丈夫なのか
あるくじには、任意で動画広告を1本見ると、翌日のみんなの賞金プールが少し増える仕組みがあります。「それって実質、広告視聴という対価を払っているのでは?」——鋭い方はそう思うかもしれません。私たちも設計時にいちばん時間をかけて検討したのがここで、次の3つの原則で整理しています。
第一に、視聴は完全に任意です。見なくても抽選への参加・当選確率・賞金の受け取りに一切の不利がありません。「見ないと損をする」構造を作らないことを、規約で運営自身に課しています。
第二に、見た本人の条件は何も変わりません。動画を見ても、その人の当選確率も口数も1ミリも上がらない。増えるのは「参加者全員の賞金」です。つまり視聴は「参加や有利さの対価」ではなく、結果としてみんなの賞金が育つ貢献として設計されています。
第三に、お金は動いていません。視聴者は時間を使いますが、金銭を支払ってはいません。賞金の原資は広告主から運営に入る広告収益の一部です。
この「本人には何のリターンもない、全員のための任意の行為」という一風変わった設計は、法律上の整理を最優先にした結果です。正直に言えば、「動画を見たら自分のチャンスが増える」ほうがアプリとしては盛り上がるでしょう。でもそれをやると「視聴という負担が抽選参加の条件・対価」に近づいていく。あるくじは、そこに近づかないことを選びました。
賞金が「現金」ではなくデジタルギフトである理由
あるくじの賞金は、現金の振り込みではなく、デジタルギフト®(電子ギフトコード)でお届けします。受け取ったギフトは各社のポイントなどに交換できます(交換先の一覧)。現金を直接配らないのは、換金や送金をめぐる別の法規制(資金決済の分野)に踏み込まないための線引きです。また、あるくじ自体はポイントや残高をユーザーに発行しません——賞金プールはあくまで運営内部の計算で、ユーザーが「残高」として保有・利用するものではない、という整理です。
まとめ — 「無料であること」は優しさではなく、土台
- お金を賭けて偶然でお金を得る形(賭博・富くじ)は、参加が無償である時点で構造的に成立しない
- 購入を条件にしない懸賞はオープン懸賞として、景品表示法の上限規制の対象外
- あるくじは「何をしても当選条件が変わらない」を規約で自らに課すことで、この土台を守っている
- 動画視聴は任意・本人の条件は不変・金銭の支払いなし、という3原則で設計
- 賞金がデジタルギフトなのも、法的な線引きの一部
あるくじが完全無料なのは、サービス精神というより、このアプリが合法的に存在するための土台そのものです。だからこそ、今後どんな機能を足すときも「参加無料・抽選条件は誰にも買えない」の原則は変わりません。
抽選そのものの公正さ(運営が結果を操作できない仕組み)については、抽選は操作できないで解説しています。仕組みの全体像はこちらの記事からどうぞ。
※本記事は一般的な法制度の解説と、あるくじの設計事実の説明であり、個別の法的助言ではありません。
※デジタルギフト®は、株式会社デジタルプラスの商標です。
(あるくじ運営事務局)